簡易ソーラーシステムの試み2
*左側の黒い部分がカウンターアローファン/栄町の家
さてこのように組み立てたシステムをどうコントロールしているかですがソーラー部分は汎用のパーツを組み合わせて使いました。空気を循環させるファンは150φのカウンターアローファン(三菱電機製)を使い、ハンドリングボックスの代わりに温度センサーと組み合わせた電気シャッターを設けてあります。
軒先のスリットから新鮮空気を取り入れ、屋根集熱面(黒のガルバリウム鋼板葺としました)で暖められた空気は垂木高さで確保されているダクトを通り、棟と平行した集熱ダクトに集められます。ファン等の設置は電気屋さん、ダクトの設置は大工さんです。特別な事はなにもしていません。
棟ダクトに設置された温度センサーにより空気が設定温度(20℃くらいに設定しています)になると電気シャッターが作動し棟ダクトで集熱した空気を縦ダクトにより床下に送るようにしています。夜間や曇りの日などで設定温度以下の場合は棟ダクトからの集熱は行わず室内の空気を廻すだけの内気循環モードになります。2階の部屋天井面近くに設けられた吸い込み口から空気を取り込み縦ダクトに送り込みます。(基本的に床下空間は室内温度と同程度に保たれます)
以上は冬モードですが夏においては内気循環モードで使います。本来はお湯取りなどで使うべきでしょうが熱交換のシステムとその為の配管工事が必要となりコスト高となるため今回は採用しませんでした。
150φのメインのファンとは別に100φのカウンターアローファンを設けており棟ダクトの空気が設定温度(30℃くらいに設定)以上になると強制排気を行います。夏季はせっかく集熱した空気を捨てているだけなので積極的な利用が課題です。
「野木の家」で採用した簡易ソーラーシステムは私としても初めての試みでガラス集熱面の無い屋根からどの程度の熱が取れるのかは見当もつかずとりあえずやってみようというスタンスでした。同時に採用したALHSについても初めて設置するものでどの程度の効果が期待できるかも未知数でした。無論、自宅だから出来た事ですが、肝心の結果についてまず簡易ソーラーシステムから見ますと冬季で棟ダクトが設定温度の20℃以上を確保できた日は2002年1月のデータでは17日ありました。25℃以上の日は13日で最高温度は30℃でした。この空気が床下に送られ窓際床に設けられたスリットより緩やかに室内に循環します。ALHSと併用している為、残念ながら簡易ソーラー単体の効果ははっきりとは解りません。 一方のALHSの効果ですがアクアセルの設定温度を私の家の場合33℃にしています。無垢材の床を使用しているため低めの温度設定にしていますがコントローラの設定自体は40℃までは可能です。低温水の床暖房の効果ですが朝の起床時は床がほんのりと暖かいと言った感覚です。体感の感覚は個人差がありますから一概には評価できないのですが、不幸にして我が家の場合以前住んでいた家が灯油で温水を循環させるもっと床温度の高い床暖房になれていたものですから暖かくないとかみさんや子供の評判は良くありません。余熱の残っている朝でこの状態ですから温度の欲しくなる夕方では残念ながら床のほんのりとした暖かさは感じる事は出来ません。