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住まいに関する話や思いなど
住まいに関する話や思いなど
これまでに小冊子などに書いてきたものをまとめました。

簡易ソーラーシステムの試み3

野木の家

*朝はほんのりした暖かさが心地よい食堂/野木の家
 
 前回、ALHSについて朝はほんのりと暖かく夕方はもう暖かくはないと書きましたが、これは本来のALHSの使い方と違う事も一因になっています。イゼナさんの名誉の為に補足しますと蓄熱タイプで設計する場合はコンクリートのベースの上に直に施工し、アクアセルと共にコンクリートにも蓄熱させるような方式を推奨しているようです。我が家の場合は簡易ソーラーの集熱空気をアクアセルの下部に通す事により蓄熱する事を期待したものですが残念ながら簡易ソーラーでは冬季においての集熱温度が一番良い時でも30℃程度で大部分は20℃+α程度ですから蓄熱には程遠く放熱を遅くする程度の効果しかありません。またALHSの設置面積も考慮する必要があります。もう少し確かな熱収支計算によりその設置面積を決めれば良いのですが我が家の場合は予算から設置面積を決めてしまいました。(予算的に実行可能な範囲での選択でした) 

 ALHSを従来型の床暖房と同列に考えてしまう事は正当な評価とは言えないのではと思います。設置室のみではなく建物全体で捉え高熱容量の熱部材として考えるべきものと思います。外気温の変化にかかわらず室内温度を一定の範囲内に維持できる点などは大いに評価できます。我が家の場合ALHSを設置したのはLDとキッチンのみですがそれ以外に暖房はしていません。(冷暖兼用のヒートポンプは設置していますが暖房用としては通常使っていない)LDにおいてはALHSの余熱+簡易ソーラーの集熱のみですが一番不利な夜間の11時過ぎ(11時以降より深夜電力が通電される)でも15℃程度を維持しています。この点では上出来とはいえないまでも何とかボーダーラインの上には乗っているのではないかと思っています。我が家のLDの補助暖房は床暖房を設備しながら笑われるかも知れませんがコタツです。 

(我が家においてはALHSは建物全体の温度を維持する為の高熱容量の熱部材という位置付けが結論でしょうか)まだまだ試行錯誤の段階ですが改良するべき点など色々とデータは取れました。また機会があれば今回の経験を踏まえて再度挑戦したいと思います。
 

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